影との戦い
影との戦い ゲド戦記Ⅰ ル・グウィン 清水真砂子・訳 岩波書店
先日、「影について」記事を書きましたが、
影といえば、これに触れないわけにいかないので、もう一つお付き合いください。
ゲド戦記の第一部、「影との戦い」
もう、これは児童文学の名作中の名作。大好きなのです。
何がいいかって、影の描き方が素晴らしいと思う。すごく怖い。
影に追われて逃げるうち窮地に追い込まれてくゲドに、賢者オジオンが「向きなおることじゃよ。」と語りかける。
↑ここが良いです。あ~、オジオンさま、私も弟子にしてください…。つい、師匠(占いの)の姿と重ねてしまう…。
先日紹介の、「まっぷたつの子爵」と、テーマは同じですが、
こっちはシリアスタッチ。
子供たちは、ドキドキハラハラの冒険物語として読むかもしれませんが(でも心の奥深くに、本当のテーマが刻まれるのでしょうね)、
大人は、自分の物語として読みたい。
窮地に追い込まれ方がなんだかリアルだと思うし、向きなおった後の展開も、
あぁ、そうなのかもしれないなぁ、と思う。
二部も三部も良いが、一部が一番好きだ。
私も影と戦ってるからか?
はい、ですから、
悩んで、いろんな本を読んだけどちっとも役に立たなかった、という方はぜひぜひ。
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