まっぷたつの子爵
まっぷたつの子爵 イタロ・カルヴィーノ 河島英昭・訳 晶文社
これ面白い!児童文学ですが大人もぜひ。
戦争で体がまっぷたつになり、右半分だけになって帰ってきた子爵。
でも、どうやらそれは、「悪いほうの半分」だったようで…というお話。
そう、誰にでもある、自分の暗い「影」のお話なのだ。
クライマックスは、
「善半」と「悪半」が決闘するシーン。
なぜか剣先は、相手の「ない方の半身」ばかりをついてしまう。(要するに本来自分がいるべき半身)
深淵なテーマをコミカルに読ませてくれて、私は好きだ。
名作だと思います。
つくづく、人生に必要な知恵は児童文学にすべて書いてある、と思うわ。
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