凪の光景
凪の光景 佐藤愛子 文春文庫
前回の「中年クライシス」で取り上げられていた、「凪の光景」いいタイトルですよねー。
漱石よりずっと読みやすいから、さらっと読めるけど…しかし、怖い!
とてもリアルな中年クライシスが描かれています。
凪の時が一番怖いってこと?
これを「小説だから、作り話だから…」って笑える人は幸せだと思う。っていうか、危ない。ものすごくリアルな話だと、私は思う。
なんかさー…誰が一番かわいそうだと思う?
本当は被害者は吉見くんや美保さんなのかもしれないけど、 私は謙一さんが一番可哀そうに思ってしまう。
こういうあやうい男の人、世にいっぱいいると思う。
千加ちゃんのような女性を「魔性の女」と呼ぶのだろうけど、謙一さんみたいな人にも何か名前があっていいと思うよ。優しいご主人、でもすごく危うい…。
本当にクモの巣にひっかかったようなクライシスだ…。皆様お気をつけください。
いや、他人事ではなく、私も。
この家族のこの後が気になる。続編ってないのかな?
登場人物皆が、自分の課題をせいいっぱい生きてる。
悩んでる方には、ちょっと憂鬱な漱石よりこっちがおすすめかも。
丈太郎お父さんが可愛い!なごむ!
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